2026.09.10

便秘改善の食事と薬との付き合い方

何を食べて、便秘薬とはどう付き合えばいいのか?

便秘改善のための野菜や果物と便秘薬を見ながら食事を考えている中高年女性のイラスト

便秘改善でまず大切なのは、便を適度に柔らかくし、腸が動きやすい生活を作ることです。

基本は、

① 食物繊維を増やす
② 水分不足を避ける
③ 朝食をとる
④ 身体を動かす
⑤ 便意を我慢しない

です。

食事では、野菜だけでなく、

もち麦・オートミール・豆類・果物・きのこ・海藻

などを組み合わせるのがおすすめです。

薬については、

「便秘薬は悪いから使わない」ではなく、便秘の状態に合った薬を適切に使う

ことが大切です。

例えば、硬い便には便を柔らかくする薬がよく使われます。一方で、便は柔らかいのに出せない場合は、薬を増やすだけでは改善しないことがあります。

つまり便秘改善は、

食事を整える

便の状態を見る

必要なら薬を使う

また便の状態を確認する

という流れで考えると分かりやすくなります。


まず結論|便秘改善では何を食べればいい?

多くの場合、まず意識したいのは食物繊維を増やすことです。

特におすすめなのは、

  • もち麦
  • オートミール
  • 納豆
  • 大豆・豆類
  • さつまいも
  • ごぼう
  • ブロッコリー
  • きのこ
  • 海藻
  • キウイ
  • りんご
  • ナッツ

などです。

NIDDKでも、便秘対策として全粒穀物、豆類、果物、野菜、ナッツなどを食物繊維の供給源として紹介しています。(niddk.nih.gov)

まずは、

「野菜を増やす」だけでなく、主食・豆・果物まで含めて増やす

と考えると実践しやすいです。


食物繊維は1日どのくらい?

便秘改善では、食物繊維はとても重要です。

NIDDKでは、成人の目安として年齢や性別に応じて1日22〜34g程度を紹介しています。(niddk.nih.gov)

ただ、日本人の普段の食事では不足しやすいため、

まずは、

白米だけ → もち麦を混ぜる
パンだけ → 果物や豆を足す
麺だけ → 野菜やきのこを足す

くらいから始めるのがおすすめです。


野菜だけでは足りない

「野菜は毎日食べています」

という人でも、便秘が続くことがあります。

その理由の一つが、

食物繊維=野菜

と考えてしまうことです。

実際には、

  • 穀物
  • 豆類
  • 果物
  • 海藻
  • きのこ
  • ナッツ

にも食物繊維は含まれています。

だから、

サラダだけ増やすより、食事全体で食物繊維を増やす

方が効率的です。


食物繊維には2種類ある

食物繊維は、大きく

水溶性食物繊維

不溶性食物繊維

に分けられます。


水溶性食物繊維は便を柔らかくしやすい

水溶性食物繊維は、水を含んでゲル状になりやすく、便に適度な水分を持たせる働きがあります。

代表的なのは、

大麦
オート麦
果物
海藻
豆類

などです。

便が硬い人は、

まずこうした食品を増やすのがおすすめです。


不溶性食物繊維は便の量を増やす

不溶性食物繊維は、

便のかさを増やす方向に働きます。

代表的なのは、

野菜
きのこ
豆類
穀物

などです。

便の量が少ない人には役立ちやすいです。


基本は「両方をバランスよく」

多くの便秘では、

水溶性だけ
不溶性だけ

ではなく、

両方をバランスよく摂るのが基本です。

例えば、

もち麦ご飯

納豆

野菜

果物

くらいの組み合わせで十分です。

ただし例外として、すでにお腹がかなり張っている人や、便はあるのに出口で詰まる感じが強い人では、食物繊維を急に増やしすぎると苦しくなることがあります。


食物繊維は「急に増やしすぎない」

これはかなり大切です。

便秘だからと、

昨日までほとんど食物繊維を摂っていなかった人が、

いきなり、

玄米

海藻
大量の野菜
食物繊維サプリ

と一気に増やすと、

ガス
お腹の張り
腹痛

が出ることがあります。

NIDDKでも、食物繊維は少しずつ増やすことを勧めています。(niddk.nih.gov)

なので、

1品ずつ増やす

くらいで十分です。


便秘改善におすすめの主食

主食はかなり重要です。

おすすめは、

白米だけ

もち麦や押し麦を混ぜる

方法です。

また、

オートミール
全粒粉パン

なども食物繊維を摂りやすい食品です。

特に、

「野菜を増やすのは大変」

という人ほど、主食を変える方が続きやすいです。


便秘改善におすすめの果物

果物も食物繊維を取りやすい食品です。

特に、

キウイ
りんご

ベリー類

などは取り入れやすいです。

朝食や間食で使えるので、

お菓子だけだった人は、

お菓子+果物

にするだけでも食物繊維を増やせます。


納豆や豆類はかなり使いやすい

便秘改善では、

納豆
大豆
豆類

もおすすめです。

食物繊維を摂れるだけでなく、

高齢者ではタンパク質も同時に摂れるため、

便秘対策と低栄養予防を両立しやすい

食材です。


発酵食品は「補助」として使う

ヨーグルト、納豆、味噌などの発酵食品は、

腸内環境を考えるうえで取り入れてよい食品です。

ただし、

「ヨーグルトを食べれば便秘が治る」

と考えるのはおすすめしません。

基本は、

食物繊維+水分+生活習慣

です。

発酵食品はその補助と考えると分かりやすいです。


水分は不足させない

便が硬い人では、

水分不足を避ける

ことが基本です。

ただし、

「便秘だから1日2L以上必ず飲む」

と決める必要はありません。

必要量は、

  • 体格
  • 気温
  • 運動量
  • 食事
  • 持病

によって変わります。

大切なのは、

極端に水分が少なくなっていないか

です。


水をたくさん飲めば便秘が治る?

基本的には、

水分不足なら補うことが大切

です。

ただし、すでに十分に水分を摂っている人が、さらに大量に飲めば便秘が治るとは限りません。

また、

心不全
腎臓病

などで水分制限がある人は、自己判断で増やしてはいけません。


朝食は便秘改善にかなり大事

便秘改善では、

朝食をとること

も重要です。

食事をすると、

胃が刺激され、

大腸の動きが高まりやすくなります。

これを、

胃結腸反射

と呼びます。

そのため、

起床

朝食

少し時間を置く

トイレ

という流れを作るのはかなりおすすめです。

NIDDKでも、朝食後15〜45分程度に排便を試みる方法を紹介しています。(niddk.nih.gov)


便意は我慢しない

便意があるのに、

仕事だから。

出先だから。

後でいいや。

と何度も我慢していると、

排便リズムが乱れやすくなります。

基本は、

便意が来たら、できるだけそのタイミングでトイレへ行く

です。

これは食事以上に大事なこともあります。


運動も便秘改善の基本

多くの場合、

歩く・身体を動かす

ことも便秘改善に役立ちます。

特に高齢者では、

活動量低下

食欲低下

排便リズム低下

という悪循環が起こりやすいです。

なので、

便秘改善では、

毎日少しでも歩く

ことがおすすめです。


「腹筋を鍛えれば便秘が治る」は言いすぎ

排便では腹圧を使うため、体幹機能は関係します。

ただし、

腹筋100回

のような運動をする必要はありません。

むしろ排便では、

腹圧をかける

骨盤底筋を緩める

という協調が大切です。

だから、

「腹筋が弱いから便秘」

と単純に考えるのはおすすめできません。


ここから薬の話|まず知ってほしい結論

便秘薬は、

必要なら使って大丈夫です。

「薬を使うと癖になるから絶対ダメ」

という考えは極端です。

大切なのは、

自分の便秘に合った薬を使うこと

です。

便秘薬には、

便を柔らかくする薬

と、

腸を刺激して動かす薬

などがあります。


硬い便には「便を柔らかくする薬」が基本

便が、

コロコロ
カチカチ
出すときに痛い

という人では、

まず便を柔らかくするタイプの薬がよく使われます。

代表的なのが、

酸化マグネシウム
PEG

などです。


酸化マグネシウムとは?

酸化マグネシウムは、

腸管内に水分を保持して、

便を柔らかくする

薬です。

日本でも非常によく使われています。

つまり、

腸を無理やり刺激する薬ではありません。

便が硬い人には使いやすい薬です。


ただし高齢者では注意

酸化マグネシウムは便利ですが、

高齢者や腎機能が低下している人では、

高マグネシウム血症

に注意が必要です。

なので、

長期間飲んでいる人は、

自己判断で増量せず、医師や薬剤師と相談する

のが基本です。


PEGは便を柔らかくする薬

PEG(ポリエチレングリコール)も、

便に水分を持たせて、

柔らかくするタイプの薬

です。

2023年のAGA・ACGガイドラインでは、慢性特発性便秘に対してPEGは強く推奨されています。(gi.org)

つまり、

硬い便では、

まず柔らかくする

という考え方が基本です。


刺激性下剤とは?

刺激性下剤は、

大腸を刺激して動かす薬

です。

代表的なのは、

センナ
センノシド
ビサコジル
ピコスルファート

などです。


刺激性下剤は「必要なときに使う」

刺激性下剤について、

「絶対飲んではいけない」

というわけではありません。

むしろ、

便が出ないときのレスキュー

として役立つことがあります。

2023年AGA・ACGガイドラインでも、ビサコジルやピコスルファートは短期またはレスキュー治療として強く推奨されています。(gi.org)


ただし「毎日自己判断で増やす」は避ける

刺激性下剤は、

効く

また出ない

増やす

さらに増やす

という使い方になりやすいので注意が必要です。

基本は、

必要な範囲で使う

です。

毎日使わないと出ない場合は、

別のタイプの薬や便秘の原因を見直す必要があります。


新しいタイプの便秘薬もある

現在は、

酸化マグネシウムや刺激性下剤だけではありません。

例えば、

リナクロチド
ルビプロストン
エロビキシバット
プルカロプリド

などがあります。

これらは、

腸内への水分分泌を増やしたり、

大腸の動きを促したりする薬です。

「便秘薬=センナ」

という時代ではなくなっています。


薬が効かない場合は「出口」を考える

ここは大事です。

もし、

便は柔らかい
でも出ない
強くいきむ
残便感が強い

なら、

単純に便を柔らかくする薬を増やしても改善しないことがあります。

この場合、

骨盤底筋や肛門周囲がうまく緩まない排便協調障害

などが関係している可能性があります。

こうした場合は、消化器内科などでの評価が必要です。


つまり薬の選び方はこう考える

かなりシンプルにすると、

便が硬い

→ まず柔らかくする方向

便が出てこない

→ 腸の動きも考える

便は柔らかいのに出口で出ない

→ 薬だけでなく排便機能も評価

です。

これくらいの理解で十分です。


薬は「ゼロにすること」がゴールではない

便秘改善で、

下剤をやめること

を目標にする必要はありません。

大切なのは、

楽に便が出ること

です。

例えば、

薬なし

5日便が出ない

強くいきむ

より、

適切な薬を使って、

2日に1回
3〜4型
ほとんどいきまない

方が良い状態です。


便秘薬は「名前」を知っておこう

「白い薬を飲んでいます」

ではなく、

薬の名前

を確認しましょう。

酸化マグネシウムなのか。

センノシドなのか。

PEGなのか。

薬の働きが違うため、

名前を知るだけで、

なぜ飲んでいるのか

が分かりやすくなります。


薬は便の形を見ながら使う

例えば、

酸化マグネシウムを飲んで、

1型 → 4型

になった。

これは良い変化です。

一方で、

1型 → 7型

になったなら、

効きすぎている可能性があります。

つまり、

薬の効果を見るには、

便の回数より便の形

も重要です。


高齢者では「便秘改善食」だけに偏らない

高齢者では、

便秘を改善しようとして、

野菜ばかり食べる。

お腹いっぱいになる。

肉・魚・卵・ご飯が減る。

エネルギー・タンパク質不足。

筋力低下。

ということがあります。

だから、

食物繊維も大事
でも栄養全体はもっと大事

です。

便秘改善のために、

低栄養を起こさないようにします。


高齢者におすすめしやすい組み合わせ

例えば、

もち麦ご飯
納豆
味噌汁
魚や卵
野菜
果物

くらいです。

これなら、

食物繊維
タンパク質
エネルギー

を一緒に摂りやすくなります。


便秘改善の1日の流れ

おすすめは、

起きる。

水分。

朝食。

トイレ。


日中

身体を動かす。

便意があれば我慢しない。

食事では豆・野菜・果物・穀物を摂る。


極端に食物繊維だけに偏らず、

普通のバランスの良い食事。

という流れです。

これが基本です。


便秘改善でまず1週間やってほしいこと

難しいことは必要ありません。

まず、

① 主食をもち麦入りにする
② 1日1回は果物を食べる
③ 納豆や豆類を取り入れる
④ 朝食を抜かない
⑤ 便意を我慢しない
⑥ 毎日少し歩く
⑦ 便の形を記録する

この7つくらいで十分です。


それでも出ないなら「食べ物のせい」だけにしない

1〜2週間、

食事も整えた。

水分も不足していない。

身体も動かしている。

それでも、

便がほとんど出ない
強くいきむ
残便感が強い

なら、

さらに食物繊維を増やすより、

便秘のタイプを評価する

方が大切です。


こんなときは病院へ

便秘でも、

次の症状がある場合は医療機関を優先します。

血便

強い腹痛

嘔吐

発熱

ガスも出ない

急な便通の変化

意図しない体重減少

などです。


あかつき鍼灸整骨院では便秘をどう考える?

便秘そのものの診断や薬の調整は、

医師・薬剤師などの領域

です。

当院では、

便秘の人に対して、

「お腹を揉めば便が出ます」

とは考えません。

例えば、

腰が痛い。

歩かない。

活動量低下。

食欲低下。

排便リズムも乱れる。

という場合があります。

その場合は、

硬く過剰に働いている筋肉は緩める。

弱く使えていない筋肉には運動療法。

そして、

活動量を落としすぎない身体を作る

という形でサポートします。

ただし、

これは、

筋肉を緩めれば便秘が治る

という意味ではありません。


まとめ|便秘改善は「基本をやって、例外を見逃さない」

便秘改善でまずやることは、

かなりシンプルです。

食物繊維を増やす
水分不足を避ける
朝食をとる
身体を動かす
便意を我慢しない

これが基本です。

食材なら、

もち麦
オートミール
納豆・豆類
野菜
きのこ
海藻
果物

を取り入れます。

薬については、

便が硬い
→ 柔らかくする薬

腸の動きが弱い
→ 動きを促す薬

など、

目的に合わせて使います。

そして、

「下剤を飲まないこと」ではなく、「無理なく排便できること」がゴール。

これが一番大切です。

ただし、

便は柔らかいのに出せない
血便がある
強い腹痛がある
急に便秘になった

場合は、

食物繊維や薬を増やすだけではなく、

医療機関で原因を確認する必要があります。

まず基本。

そのあと例外。

この順番で考えると、便秘対策はかなり分かりやすくなります。


FAQ

Q. 便秘改善でまず食べるなら何がおすすめですか?

まずは、もち麦、納豆、豆類、果物、野菜、きのこ、海藻などがおすすめです。特に、白米をもち麦ご飯に変える方法は続けやすいです。

Q. ヨーグルトは必須ですか?

必須ではありません。発酵食品は補助として利用できますが、まずは食物繊維・水分・朝食・運動を整えることが基本です。

Q. 水はたくさん飲んだ方がいいですか?

水分不足は避けるべきですが、全員が大量に飲めば便秘が治るわけではありません。心臓や腎臓の病気がある人は、自己判断で水分を増やさないでください。

Q. 酸化マグネシウムはどんな便秘に向いていますか?

硬い便を柔らかくする目的でよく使われます。高齢者や腎機能が低下している人では注意が必要なので、長期使用は医師や薬剤師と相談してください。

Q. 刺激性下剤は危険ですか?

適切に使う分には治療選択肢です。特にレスキューとして使われます。ただし、自己判断で毎日増量していく使い方は避けましょう。

Q. 便秘薬はやめた方がいいですか?

必要な人は使って構いません。薬をゼロにすることより、無理なく排便できる状態を作ることが大切です。

Q. 食物繊維を増やしたらお腹が張りました

急に増やしすぎた可能性があります。まず量を少し戻してください。また、便が柔らかいのに出せない場合は、出口側の排便障害が関係することもあります。